スーパーのジャムコーナーを見て、「うわ、何種類あるの……」と思ったことはありませんか？
イチゴジャムだけでも、普通の、低糖、果肉入り、オーガニック……気づけば6種類以上。
「どれにしよう……」と迷いすぎて、結局買わずに帰ってしまった経験、あるあるですよね。
実はこれ、心理学的に説明できる現象なんです。それが ジャムの法則。
ジャムの法則は、簡単に言うと 「選択肢が多すぎると、人は決められなくなる」 という法則です。
この法則は、心理学者シーナ・アイエンガー（Sheena Iyengar） によって実証されました。
有名なジャム実験
- 場所：アメリカのスーパーマーケット
- 方法：ジャムの試食コーナーで2つの条件を用意
- 6種類のジャム（少数の選択肢）
- 24種類のジャム（多すぎる選択肢）
- 結果：
- 6種類 → 約30%の人が購入
- 24種類 → 約3%の人が購入
面白いのは、多すぎる選択肢は「見て楽しいけど、結局買わない」という状態を生むこと。
まさに「脳は選択の多さに疲れてしまう」という現象を示しています。
ジャムの法則は、スーパーだけじゃありません。
- ネット通販：商品が多すぎて、結局カートに入れられない
- ファッション：洋服を見すぎて決められない
- サブスクのプラン：どれが自分に合うか迷いすぎて登録をやめる
「多ければ多いほど良い」と思いがちですが、心理的には迷いが増えるだけなのです。
選択肢が多かったら、何日か迷ってから購入しちゃうかな～
なぜ人は選択肢が多いと迷うのでしょうか？
理由はシンプルです。
- 選択肢が多いと脳が疲れる
- 「後悔したくない」という心理
- 結局決めない選択をする
この3つが組み合わさることで、ジャムの法則が日常でも発動します。
ジャムの法則を逆手にとれば、迷いを減らすことができます。
- 選択肢を絞る：最初から3～4種類に限定
- 優先順位を決める：値段・味・ブランドなど、自分にとって大事な条件を決める
- 完璧を求めない：「完璧じゃなくてもOK」と自分に言い聞かせる
こうするだけで、買い物が楽しくなるし、後悔も減ります。
ジャムの法則はマーケティングでも大活躍。
- メニューを絞っておすすめを明示
- 商品ラインナップを整理して迷わない環境にする
- 「人気ランキング」「おすすめ」を提示して選択をサポート
迷いを減らすことで、消費者も購入しやすくなり、売上アップにつながります。
ジャムの法則は、選択肢が多すぎると人は迷い、決められなくなる心理現象です。
心理学者 シーナ・アイエンガー の実験からも明らかなように、少ない選択肢のほうが購入率が高くなる傾向があります。
日常生活でもビジネスでも、選択肢を絞る・優先順位を決める・完璧を求めないことが、満足度を高めるコツです。
多すぎる選択肢は脳を疲れさせるだけ。
時には「少ないほうが幸せ」ということを、ジャムが教えてくれているのかもしれません。
